ニューハーフヘルスで働く女の逆転劇

ニューハーフである私の一言は主人の動きを止めた。主人の身体は6メートルを超えていて、とてもじゃないけど私はこのまま噛みつかれたら原型を留めていられないだろう。実は豊胸手術したわけではなく、取ってつけたおっぱいだったなんて言ったらもっと幻滅されてしまうかもしれなかったが、このままどうにか時間を稼がないと私の命はない。私の言葉を聞くと主人は一旦下がって口を閉じた。少しの猶予を私の主人がくれたのだ。やはり私のことを愛しているのだろう。
「愛している?」
私は無謀にもそんな言葉を口にしてしまった。ニューハーフの本能が愛情を欲していたのだ。しかし主人は唸って
「早く説明をしろ!!! ぶち殺すぞ!!!!」
と言った。仮にも愛を誓い合った仲なのにぶち殺すってのは酷すぎるんじゃないかとも思うが、それを今の主人に言ってしまったらハッピーなことにそのまま地獄行きだ。あんな口の中で一生が終わってしまうなんてあまりにも悲惨だ。残酷だ。現実はそりゃ残酷かもしれないが、もっと足掻いてから死にたい。もっと自分でニューハーフヘルスで稼いで、もっと生きていたい。そんなこと主人にとってはどうでもいいのだけど…。
「そ、そうね、説明しなければならないわね。まずあなたが食べたものはあれ、おっぱいじゃないわ。ぜんぜんおっぱいじゃない!!」
私はめっちゃ声を大にして言ってしまった。するとさっき食いちぎられた右乳房からニューハーフヘルスで働く私の物ではなく、健二時代のおっぱいつまり男のおっぱいが露わになった。
「うわわわわわわわわわわあああああああ!!!!!!」
私は恥ずかしさのあまりその場でうつ伏せとなって必死で隠そうとした。主人はそんな私を見て死ぬと勘違いしたらしく、
「死ぬのか? 死ぬのか?」
と声を掛けてくれた。
「死んだら困る! 鮮度が落ちる。死ぬんなら今食べちまうぞ!!!」
と思ったらただ単に捕食者としておいしくなくなることへの心配だった。主人は口を開けて迫ってきたのだが、私は起き上がって主人を制した。
「待って。私はまだ死なないわよ。こんなもんで死んでたまるかって。乳がんのひとなんて全摘出なんてこともあるのに、別に病気でもなくてただ単に乳房を失っただけの私が精神的ショックなんかで死ぬはずがないわ」
「そうだ。お前は生きたまま食べてやる。お前はその為に生かされていたんだ。私が腕によりをかけて育てた極上のおっぱい、そんじょそこらのニューハーフヘルス嬢のおっぱいなんぞとは比べもんにならんほどのハリとつやととろけ具合だぞ!! さあさっさとおっぱいが偽物とかなんとかってやつを説明して死ね、食われろ!!!」
私は驚いていた。えええええええええええええええええ!!! 私っておっぱい食われるためだけに、食べごろになるまで育てるために生かされていたの??? 嘘、私と主人の愛は嘘なの? あの、レストランでシックスナインした思い出は? 二人で立ち寄った商店街のくじ引きで、金玉五キロ当てて喜んでいた時も私を食べる気だったのーーー?? もう問いただすことすらできない。私には無駄な言葉を使えるほどの体力が残っていない。風俗嬢が気の毒だ、とか風俗嬢の方が気が楽だ、とかそんな言葉を言えるほど今楽観できない状況だ。
「あ、あのおっぱいは、たし、たしかにおっぱいだった。け、けけど、おっぱいじゃなかたの。おっぱいに見えて、おっぱいじゃなかったの。そう、擬態みたいなものね」
「お前何言ってるか全然判らねえよ、もういいや食べちゃうぞ」
「ちょっと待ちなさい。おっぱいは偽物だったわ。そう偽乳よ!ところであなた、さっきのおっぱい誰からもらったの?」
主人が黙り込んだ。すかさず私が攻めに打って出る。
「ちょっと、黙ってちゃ判らないでしょおおおがああ!!! どこで手に入れたのよ!」
主人はさっきの6メートルの身体よりどんどん小さくなってきていて、湯気の出方が尋常じゃなくなっていた。今や私は満身創痍だったが、この瞬間私と主人の立場がまるっきり逆になったのを私は感じた。その時風俗嬢がが濡れるようにアナルが濡れたのだ。

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