ニューハーフヘルス嬢と夫の異常な生活

「なんじゃこりゃああああ!!!!」
夫が錯乱している。
「なんなんだよ、おいいいい!!!」
ニューハーフの私に向かって鋭い目を向ける。
「なんのことですか? もしかしておっぱいがお口に合わなかったんですか?」
私は慌てた。まさか、念押しにクックパッドで似たような刺身のページを見たら評価はかなり高かった。私試してみましたー、家族にも大人気ですぐ売れちゃったんです。切り方のコツが判り易く初心者にもらくちんおっぱいでーーーす!! ってレビューも書いてあったのに騙された! クックパッド殺してやるー! と思ったがその前に私が殺されるわ。主人は怒り狂って湯気が出ているし、私のプリン味のおっぱいはもうまな板の上の鯉みたいなもので、生乳がいつの間にか出てしまっている。
「ちょっと待ってよ!」
私は抗議した。
「ちょっとこれはおかしいわよ、レシピ通り作ったのよ。白状するわ、私ニューハーフヘルスで働いているけどおっぱいなんて捌いたことなかったの。あなたはそれを知ってたのか知らないのか判らないけど、これでも一生懸命捌いたのよ。このクックパッドがいけないのよ。クックパッドがー!!」
私の抗議にほんの少しだけ耳を傾けてくれた主人はまるで暴走を止める気はなさそうで、
「食ってみろ。食ってみろー!!!!!」
と私を脅す。これで食ってしまったら最後だと判っていたが、回避できるほど私はスキルを持ち合わせていない。私は結局流れのままに食されて終わりの運命なのだ。自暴自棄になった私はプリン味のおっぱいを口いっぱいに頬張る。すると美味しくない。全然美味しくない。普通おっぱいは口に入れただけでとろけるようなきめ細かいさしが入っているはずなのだが、このおっぱいはぐにぐにと噛みちぎることも出来なければ、味らしい味もない。これはくずおっぱいだ。手術を担当した医者には散々熟成すればプリン味のおっぱいとなると言われて、ヘルスを利用したお客さんも満足してほうばっていたはずなのに、このくずおっぱいのせいで私は食われるんだ。あの時のように、おっぱいのないただの男になり下がるんだ。主人は私を風俗嬢にやるように食いちぎり、咀嚼し、もしかしたらペッと吐きだすのかもしれない。そんなんだったら最初からニューハーフの私と結婚なんかしないでくれれば心の整理もついたのになあ。そう思っていると主人が涎をだらだら流しながら近づいてくる。もう一巻の終わりだった。私の右乳房にゆっくりと顔を近づけた主人はゆっくりと口を開きそのままゆっくりと私の右乳房にかぶりついた。根元から全て噛みちぎられ私の右乳房は跡形もない。取ってつけていただけなので痛みはないが、ニューハーフから男へと変わってしまうことへの恐怖が私を絶望へと誘った。
「うあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
私は精神的苦痛で視界がぼやけてきた。叫ぶ余力さえもうない。くちゃくちゃと咀嚼する主人はなんと、笑っていた。私の右乳房を頬張りながら笑っていた。
「ほうら、こんなに美味しいじゃないか。これがおっぱいなんだよ。さっきのやつはおっぱいなんかじゃない!!! 偽おっぱいだよ、罪だよ、大罪だよおお??? こんなもんじゃ済まないよおおお?? もう一つ乳房をいただこうかなあ、君の乳首は特に美味しいから今日のメインディッシュには最適だよおお!!!」
もう主人は完全に狂ってしまっていた。目はとっくに白目を剥いてしまっているし、170センチほどしかないはずの主人の身長は5メートルをも超えている。霞む視界の中で主人はどんどん大きくもはや化け物となっていった。左乳房を食べるとか言っているけど私を丸ごと食べる気だわ。
これで私もおっぱいなしでニューハーフヘルスで働かなければならない…。しかし主人は近づいてくる。口を大きく開けている。涎が私の顔にかかって食べられる瞬間私は出まかせで
「あれはおっぱいじゃなかったのよ!!ほんとうのおっぱいじゃなかったのよ!」
と言った。主人が動きを止めた。主人の息が私にモロかかっていて臭い。この日私は、右乳房を失い、後何を失うのだろう。そして、その後何が残るのだろうか。
そういえば、あいつどこの風俗で働いてたんだっけなぁ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です